ふしぎな目をした男の子


 つむじ曲がりの老コロボックル、ツムジイは、小山の裏にある土瓶の家で一人暮らしていたのですが、掟の改定をきっかけに、人間の町で暮らす事を決めました。
 そこで出会った少年は、ツムジイがどんなに速く走っても決して見逃す事のないふしぎな目を持っていたのです。 ―――――

 これは、コロボックルの老人と人間の男の子の交流を軸にした物語です。
 こんな素敵なおじいちゃんに見守られて成長するタケルくんって、本当に幸せ者だと思います。羨ましいなんてものじゃありません★

 コロボックルを見ることが出来る少年とトモダチとなることによって、コロボックルと人間の関係に新たな歴史が始まる予感が感じられ、シリーズ全体が微妙な岐路に立たされた印象を受ける作品です。

 また、コロボックルがむかし作った泉に関するエピソードが、物語の軸に織り込まれていることも一つの特徴だと思います。この過去と現在が交錯した、自然との調和を考えさせる心憎いエピソードが加えられたことで、この物語には更なる深みが出た気がします。

 過去とのつながりが未来を作る。。。そんなふうに、世代を越えてつながっていくものが、確実に存在することを実感させてくれる物語です。

出演者リスト

◆コロボックル編◆
呼名 正式名 人物紹介
ツムジ
ツムジイ
ウメノヒコ 頑固でつむじ曲がりの老コロボックル。モチノヒコとは親友の間柄だった。
山の裏側にある土瓶の家で一人暮している。 本業は学者だが人相見の名手でもある。また水玉を見ると3日位先のことが読み取れる。狩も上手い。
人間の町で暮らしている時に、コロボックルの姿を見ることができるタケル少年と出会いトモダチとなる。
個人的にはシリーズで一番好きな方♪尊敬してます(
*^.^*
トギヤ ヒノキノヒコ コロボックル国の大工で、ツムちゃんの父親。
暇さえあればノミやカンナの刃を磨いでいるのでこの呼名がついた。職人堅気のぶっきらぼうな性質だが、ツムジイとは不思議と気があう。
コロボックル童話集の中でクラさんという人間とトモダチになっている。
ツムジ
ツムちゃん
ヒノキノヒコ コロボックルを見ることができるタケル少年と瓜2つの顔をしている少年。
ツムジイの跡を引き継いでタケルとトモダチになる。
つむじ風のようにはやくて身が軽く、つむじ曲がりな所もあることから、ツムジと呼ばれている。生意気な所も含めてめちゃめちゃ可愛い男の子♪



◆人間編◆

名前 人物紹介
フジノタケル コロボックルがどんなに早く走っても見ることが出来る不思議な目を持つ少年。赤ん坊の頃にツムジイと出会いトモダチになる。
ケンカの強いわんぱく小僧で、明るくモノオジしない性質。小学三年生時には、算数が得意で『数学博士』の異名を取る。野球が得意で 参加している少年野球チームでは、ショートを守っている。守備の上手い子として有名らしい。
カキムラヒロシ タケルが5歳の時に桜谷の用水池で出会った少年。鉄工所の息子で四人兄弟の末っ子。タケルを弟のように可愛がっている。
中学生の時、タケルと一緒に桜谷用水池の水門を開けて水を放流する。
ヒロシのおじいちゃん ヒロシの祖父。ヒロシとタケルに一寸河童の伝説を話してくれた。ヒロシ達が水を流した後、水のわき口を掘り出して再び水が涌き出る様にした。
ヤスオ タケルの仲良し。タケルが三年生の二学期に桜谷町に越してきた。ふとっていておっとりしたのんきぼうずだが勉強はよく出来る。


・出演者は基本的に登場順に紹介しています。   
・間違いや見落としに気づいた方は是非ご一報ください(^^;

  
  

 このページはいぶし銀のシブさを狙ってみました。
ウメの花はツムジイの正式名ウメノヒコをイメージしたものです。
 この壁紙のほどよい枯れ具合がツムジイの渋味と重なるし、しかも良く見ると梅の花一つ一つはとても可愛らしく描き込まれているところが、これまたツムジイのちょっとお茶目な可愛げにつながるような気がして選びました。

 この巻は、前の三巻とはちょっとちがう独特の雰囲気があると思います。
 せいたかさん一家が出てこないとか、物語の主な舞台が、コロボックル達の住む小山から少し離れた場所になったという事が要因なのですが、なによりもツムジイのキャラクターがこの物語独自の雰囲気を生みだし、引きたてているのだと思います。だからこのページはツムジイをイメージしたものだと思ってください♪




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