■2003/02/24 (月)
「大日蓮展」に行ってきました。 |
東京国立博物館で開催している「大日蓮展」に行ってきました。
会期末が近いせいもあって、会場はかなり混雑していました。
私にしては珍しく、朝早くに行ったんだけど、、、おじいちゃんやおばあちゃんは元気だなぁと実感させられました。
あと、お坊さんや尼さんの姿もちらほらと見受けられました。
そのような信仰心厚い方々には申し訳ないのですが、あいにく私には、美術品を愛でる気持ちはあっても、信仰には疎いので、あくまでも展覧会として楽しんできました。
私にとって、この展覧会は、長谷川等伯の仏画を堪能することができたのが、なによりの収穫でした。
等伯の仏画をこんなにたくさん一度に見れる機会は、あまりないと思います。
それだけでも、この展覧会はオススメな気がします。
どれも、おそろしく正統な仏画で(まぁ仏画で、等伯が生きた時代に自己主張できたわけもないのですが)彼が、優れた技術力をもっていたこと実証しているような作品ばかりでした。
何といっても、縦10メートル近い大きさの仏涅槃図には、やはり圧倒されました。
こんな大きな軸、開く時は、さぞ大変だったことと思います。
残念ながら、展示室の壁では長さが足りなくて、軸の裾のほうが床にかかってしまっていたのが、すごく惜しかったです。
平成館が完成したとき、この展示室は日本で一番大きな軸物が掛けられるように設計した、という話を聞いたことがあったのですが、一体、どの作品を基準にしたんでしょうか?
少なくとも、この作品よりも小さい作品を基準にしたことは確かですよねぇ?
だとしたら、この作品は、日本で一番大きな作品よりも大きいってこと??
うーん。謎は深まるばかりです(笑)
・・・なんか話がそれてしまいましたが、この作品、釈迦や、その死を嘆く仏弟子たちよりも、その周りの動物のほうが、表情豊かで見るのが楽しかったです。
その肝心の動物たちが地面に丸まってしまっていて、引きを持って見ることができなかったのは、本当に残念でした。
人物は、大画面のせいか、少々バランスが崩れ気味な気は、しなくもありません。
まぁこれは、等伯だけでなく弟子の手も入っているせいもあるのでしょう。
きっと昔の人にとっても、すごくインパクトのある作品だったろうと思います。大きいことはいいことだ!?って感じ??(^^;
そういえば、この作品を所蔵している本法寺って、この軸を掛けられるだけの大きさの建物をもってたんですよねぇ?
俗っぽい話になりますが、それだけでお寺の財力を伺わせている気もしちゃいました。
他に、この展覧会の企画段階で発見されたという、等伯の「鬼子母神十羅刹女像」も展示されていましたが、状態があまりよくないこともあって、新発見というふれこみがなければたいして印象には残らなかったと思います。
等伯以外に目を移すと、琳派の作品もかなり展示されていました。
一度は見たいと思っていた、宗達の「牛図」まであったのは、嬉しかったです。
たらしこみの技法を駆使した、対幅の水墨画なのですが、この牛の量感は、さすが宗達ならでは!という感じがしました。無駄なものが全くない緊張感のある作品だったと思います。
あと絵画関連では、日蓮だけに法華経曼荼羅が目立っていたかなぁ。。。
大画面に、経典に基づいたさまざまな場面が、ちまちまと描かれているのを見るのは、法華経の教えを知らない私でも楽しかったです。
類似する作品ですが、「一字宝塔法華経」は、紫紙に金泥で、経文の文字を塔の形にならべて書いて、そうやって書かれた塔の周りに、経典の教えを、今度は絵で描いたものですが、これは、ほんとうに手が込んでいました。
工芸品に近いのかもしれませんが、これが、四幅(多分。数は正確ではありません)ほど並んでいるのは、やっぱり存在感があったと思います。
昔の人の、手間を惜しまない、敬虔な信仰心の賜物という気がしました。
作品の入ったケースと私との距離が結構あったので、文字の形までは判別できなかったんだけど、近くによって、よ〜〜〜く見たいなぁと思わずにはいられませんでした。
絵解きができるようになれば、きっともっと楽しい筈だと思います。
ほんとは、経典にも眼を通しておかなくてはいけないんだろうなぁ。。。(^^;;
自分の勉強不足がちょっと恥ずかしかったです。
仏像は、南北朝期のものが何点か出ていた程度です。
あとはやっぱり経典類が目立つ展覧会でした。
さすが東博という感じの、内容てんこ盛りの展覧会です。
ざっと見るだけでも軽く2時間かかっちゃいました(^^;
・・・残念ながら、昨日で終わってしまいました★ゴメンナサイ。
これからは、会期末までにはUP出来るようにしたいと思います(反省)
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