■2002/11/05 (火)
うらわ美術館へ行ってきました |
と、言っても、すでに半月程前の話なんですが★
行ったのは、『ブラティスラヴァ世界絵本原画展とスロヴァキア絵本芸術の巨匠たち 』展。最終日の夕方に駆け込みました(^^;
この美術館、2年ほど前に出来たのかな?
行ったのは初めてだったのですが、思ったよりも広くて、なかなか良い感じでした。
照明もまぁまぁだったので、見やすかったです。
ポスターやチラシが地味だったので、正直、あんまり期待しないまま出かけたのですが、予想に以上にいい作品が並んでいて、楽しい一時を過ごす事ができました♪
メインは、ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)に出品された作品だったのですが、個人的には、スロヴァキアの絵本作家の作品を紹介したコーナーが、圧倒的に面白かったです。
東欧が、絵本先進国であるということを、実感させられるコーナーに仕上っていました。
このコーナーをもう少し充実させるだけで、一つの展覧会が、絶対に出来ると思いますし、是非見て見たい!と思ってしまいました(笑)
特に、アルビーン・ブルノウスキーの作品の美しさには、文字通り言葉を失いました!
私は、絵本を大人読みしている人間だからでしょうか、細密なディテールで彩られた幻想的な作品に、めちゃめちゃ弱いんですよ。
この人の絵本が欲しい!と思って調べて見たんですけど、絶版みたいで…すごく残念です。
こういう外国の作家の作品を扱った展覧会を見て、なにが欲求不満かというと、欲しいと思う本が、日本では出版されていなくて、手に入らないもどかしさを感じる事なんですよね〜。
普段、見る機会の無い作品に触れられるのは嬉しいんだけど、やっぱり見たら手元に置きたくなるのが、本音だと思うのですが。
私が、欲張りなんでしょうか?(^^;
展覧会会場に併設された、展覧会グッズを売っているコーナーに、○善さんとか、洋書の外注をしてくれる本屋さんを入れて、展示してある絵本を取り寄せることが出来るシステムがあると、すごく嬉しいんだけど。
ある程度のニーズは見込めると思うのですが、やっぱり難しいんでしょうかねぇ…
ま、絵本って、決して安いものではないですし、欲しいと思うものを全部手にしようとしたら、多分私は、お財布の方が、もたないと思うので、こんな風にちょっとだけでも見る機会を得ることで、満足していたほうが、幸せなのかもしれません(涙)
話がそれでしまいましたが、この展覧会のメインは、国際的にも名高い、ブラティスラヴァ世界絵本原画展の2001年度受賞作品を紹介するコーナーです。
先日行った、ボローニャの絵本展が新人発掘の場であるのに対して、プロを対象にした展覧会であることが特徴だと思います。
グランプリを受賞したのは、エリック・バトゥーさん。
彼の作品は、空間の広がりを感じさせる味のある作品だと思うのですが、私には、そつなくまとめられている分、他の入選作品の方が、作家の個性や独自性を感じさせる強さがあって、見ごたえがあるように思えました。
ただ、展示してある原画を見るのと、実際に絵本となったときの印象はまた別なので、微妙なところではあるのですが★
バトゥーさんの作品は、本になったものを見た方が、良さを感じられるタイプの作品だと思います。
実際に出版されている本も、展示室で見ることが出来たのですが、その国の出版事情が伺える、紙質のよくない本も何冊かあって、勿体無い気がしました。
特に、ヴェーラ・パーヴロアさんの作品は、ビザンチン様式を彷彿とさせるような重厚さが、印刷だと薄れてしまう気がして残念でした。
絵本って、本当に、印刷技術や装丁次第で、印象が変わっちゃうから難しいと思います。
日本の出品作品のコーナーに展示してあった、宇野亜喜良さんの『ゆきおんな』もちょっと版型が小さ過ぎて、宇野さんのイラストが窮屈そうに見えた気がします。
私、この人の描く女の人がすごく好みなのですが、生々しすぎるくらい艶めかしい雪女にちょっとドキドキしてしまいました(^^ゞ
これは、原画を見た方が、素敵だった作品の代表だと思います。
日本からの出品作品は、全体的に、手堅く狙いすぎているという気がして、スケールが小さい作品が多かった気がします。
それなりに面白いのですが、どこかでみたような印象が拭い切れませんでした(偉そうですね★スミマセン)
こんな感じの展覧会だったので、見る分には、十分に満足できる内容だったのですが、ただ一つ大きな不満があります。
それは展覧会図録です。
二千円以上するのに、版型も小さくて薄っぺらいものだったんです。
展示してある作品も中途半端にしか掲載してないし。
この内容で、この値段はないと思います★
この展覧会、あと三箇所くらい巡回するので、行かれる方は、図録より絵ハガキを買う事をお奨めします。
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