だれも知らない小さな国





 この物語は、小学校三年生だった「ぼく」が、小山と三角平地に迷い込んだところから始まります。
そこは、小法師さまと呼ばれる小さな人が住むという伝承がある不思議な場所でした。
 小山で出会った小さな人の姿を忘れられなかった「ぼく」は、大人になってから再び、三角平地に足を踏み入れたのです。―----

 1959年に出版されたこの作品は、佐藤さとるさんの事実上のデビュー作といわれています。
 どこかで、『小説家はデビュー作をめざして、その後成長していくものだ』という言葉を読んだことがあるのですが、この作品を読むとつい、その言葉を思い出してしまいます。この作品には、佐藤さとるさんの特徴である理知的な語り口は明らかに存在しているし、コロボックルの持つリアリティにも、非常に説得力があります。
 ここには、佐藤さとるさんがファンタジーを定義する際によく用いる「ありえないことをあったように書く」というこだわりがはっきり現れていると思います。

 また、この作品は幼いころの出会いを忘れずにいた主人公が、その出会いを追い求めてた結果、大切な人を得るプロセスを丹念に描いた作品でもあります。こういうロマンチックなところが幼心には非常に印象的でした♪

 あと、本を読んでいる時に、自分の周りにも黒い影が走らないかキョロキョロした思い出を持つのは私だけではありませんよね!?(笑)

出演者リスト

コロボックル編   
呼名 正式名 人物紹介
モチノヒコ老人 モチノヒコ 最初の世話役。人間を味方にすることと、コロボックル物語を世に出すことを決めた偉い人。
せいたかさんが子供の頃、初めて見たコロボックルの一人でもある。
3巻から4巻の間にお亡くなった模様。
ヒイラギノヒコ ヒイラギノヒコ せいたかさんと最初に口をきいた勇敢なコロボックル。モチノヒコ老人の跡をついで世話役に就任する。
せいたかさんの協力のもと、コロボックル小国に様々な技術や制度を導入し改革を行った。ハギノヒメと結婚。少なくとも一人は子供がいる模様。
エノキノデブ
デブ先生
先生
エノキノヒコ せいたかさんと話すための訓練を受け、会いに来たコロボックルの一人。連絡係を務めた後、コロボックルの学校の校長先生となる。世話役の相談係でもある。
呼名はまんまるな体型に由来している。 陽気で人なつっこい人柄は多くの生徒たちに慕われている筈♪
キムズカシヤ
ツバキの技師
ツバキノヒコ ヒイラギノヒコ、デブちゃんと共に、せいたかさんに会いに来た。
せいたかさんの連絡係を務めるかたわら、電気技師のせいたかさんから電気について学び、その知識をもとに、その後コロボックルの地下工場の技師となる。 非常に優秀なコロボックルで、実は英語も話せる。
相談役やコロボックル通信社の通信員など、肩書きも多数(^^)
呼名が示すように多少頑固な所はあるようだが、人当たりは良い。
おハギちゃん ハギノヒメ おちび先生を調べるために選ばれた男まさりのすばしっこいコロボックル。
おちび先生が味方になった後も、引続き連絡係を務める。
ヒイラギノヒコと結婚後、出産のため連絡係を退く。実はコロボックル通信社の通信員でもある。



人間編
名前 人物紹介
せいたかさん 言わずと知れたこの物語の主人公。小学校四年生の時にコロボックルとはじめて出会う。
コロボックルの最初のトモダチで、コロボックル国の発展に力を尽くす。 表向きは、コロボックル国のある小山の持ち主でもある。コロボックル通信社の初代社長でもある。
ちなみに、せいたかさんという呼名はコロボックルが付けたもの。
夜間の専門学校を卒業後、電気技師となる。コロボックルの二人目の味方となったオチビ先生と結婚。現在は、一男一女の父♪
トマトのおばあさん せいたかさんに小山に伝わるコボシさまのお話を聞かせてくれた、せいたかさんの顔なじみの野菜売りのおばあさん。上等のトマト売っていたことがこの名前の由来。小山には、毎年蕗をとりに来ていた。 (2002.5.19追加・Thanks to ぱっちむさん♪)
おちび先生
ママ先生
コロボックルの二人目の味方。子供の頃に見た立って歩く蛙が忘れられず、大人になってから再び小山を訪れ、コロボックルとせいたかさんと運命的な再会を果たす。
幼稚園の先生をしていたが、せいたかさんと結婚後は主婦業に専念した模様。コロボックル通信社のお給仕さんも勤めている(^^)
峯のおじさん コロボックルが住む小山の元の持ち主。せいかたさんを気に入って、いろいろ力になってくれた。 せいたかさんが小屋を立てる時には手伝ってくれたりもしている。
ボクチン 峯のおじさんの子供。小山の伝説を信じていてなんとなく怖がっている。
園長先生 おちび先生の勤務する幼稚園の先生。わりと豪快な印象があるのは何故だろう。。。?

・出演者は基本的に登場順に紹介しています。   
・間違いや見落としに気づいた方は是非ご一報ください(^^;



 このページのイメージは5月のグリーンです。
 ほんとはコロボックルにちなんで、蕗の葉とかを使いたかったのですが、残念ながらそんなマニアックは壁紙は見つけられませんでした(笑)
 でも、若々しくてこれからいろんなことが始まるぞ!っていう生れ立ての明るさを持った葉っぱの壁紙が見つかって、個人的には満足しています。五月の葉っぱってそんな感じがするのは私だけでしょうか??
  



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